株のコスト(手数料と税金)を下げる対策とは?

株,税金

 

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株投資で「いくら儲かったか」を計算するときは、「税金と手数料」というコストを支払った後の「手取りがいくらに増えたか」で考えなくてはいけません。

 

手数料は証券会社によって異なり安いところが多いですが、税金は毎回儲けの20.315%が強制的に引かれているのをご存知でしょうか。手数料率より税率の方が大きいので、対策が必要です。

 

手数料や税金を安く抑えるコツがあります。投資初心者の方は、取引手数料ばかりに目が行き、「税金を節約しよう」、というもっと大切な対策を忘れています。

 

今回は、この株取引のコストである手数料と税金をどう節約して、手取収入を増やせばいいのか、その対策をお教えします^^

 

 

株取引にかかるコストを下げる3つの方法

・手数料率よりも税率の方がはるかに高いので、税金対策を意識
・税金を節約するためには、売買頻度を下げる
・1つの銘柄をできるだけ長く持つ、長期投資が有利

 

株投資にかかる手数料や税金を下げるコツは以上3つになります。結論は、「短期売買を繰り返さない」ことで、株や投資信託、ETFにかかる手数料を下げることが可能になります。株取引にかかるコストをそれぞれご説明し、その対策ポイントを詳しくご説明しましょう。

 

 

株取引にかかるコストとは?

≪手数料≫
・売買の手数料
・ファンド(投資信託とかETF)の信託報酬
・投資信託の信託財産留保額

 

≪税金≫
・株の配当金やファンドの分配金にかかる所得税(配当課税等)
・株やファンドの売却時の儲けにかかる所得税(譲渡益課税)

 

株投資の手数料には何が含まれるのか

まず始めに売買の手数料と信託報酬とはどのようなものなのでしょうか。

 

株や投資信託、ETFなどの金融商品の売買に「手数料」の支払いは避けて通れません。手数料とは金融商品の売買を仲介してくれる証券会社へ払う報酬であるためです。

 

また、投資信託やETFでは、資産運用会社に信託報酬という名前の手数料を支払う必要があります。これは運用会社で働いているファンドマネージャーやアナリストの労働報酬に相当します(一部販売会社(証券会社)にも分配されます)。

 

手数料は、証券の売買に伴う売買委託手数料(販売手数料)と、運用に係る信託報酬に大別される。

 

その他の手数料として、投資信託ではそのファンドを売却した時に「信託財産留保額」という一種のペナルティが掛かる場合があります。これは、投資信託を売るとファンドの中の銘柄(株)を一定額売却しなくてはいけません。

 

このコストは売った人ではなく、その投資信託の残りの投資家が負担することになります。言ってみれば投資信託を売った人はそのコストを払わずに「売り逃げている」とも言えるわけです。その不公平感を正す目的で、ファンドに置いていく(支払う)コストが信託財産留保額になります。これは課している投資信託と課していない投資信託があります。

 

 

売買手数料はネット証券によってバラバラ

・同じ銘柄、投資信託、ETFもネット証券によって手数料は様々
・投資信託で販売手数料無料(ノーロード)のところも多い

 

売買手数料は証券会社によってまちまちです。また投資信託やETFを買う場合も、同様ネット証券によって違いがあります。

 

注意したいのは、同じ投資信託やETFを買う場合に、「あるネット証券と別のネット証券とでは販売手数料が違うのが普通」ということです。これは株の場合も同様です。トヨタ株を買う場合、証券会社によって手数料が違う、というわけです。

 

ネット証券では、投資家の売買実績や売買金額によって手数料を変えていることが多いので、単純に「A証券は常に手数料が安い」とも言い切れません。自分の売買金額や売買頻度に応じた選択が必要になります。

 

投資信託の販売手数料は一般に売買代金の1、2%くらいが多いですが、3%以上もの高いものもあります。高い手数料は運用パフォーマンスの妨げになるので可能な限り避けるのが賢明です。

 

一方「ノーロードファンド」と言って、販売手数料無料のものも増えてきました。岡三オンライン証券など、「すべての投資信託はノーロードか、手数料をキャッシュバックで無料」とするポリシーのところもあります。
>岡三オンライン証券 くりっく株365

 

 

信託報酬の低いファンドを選ぼう

以上の売買手数料(販売手数料)は、買う時、あるいは売る時にのみ払う一時的なコストです。しかしファンドを保有している限りずっと支払わなくてはいけないコストもあります。これが運用会社への報酬である「信託報酬」です。投資信託やETFの信託報酬は、保有している限り、ずっと払い続けなくてはいけません。

 

この信託報酬は、株(個別株)には掛かりません。一方で投資信託やETFは、「年当たりいくら」という形で実際は日々の基準価格に含まれる形で徴収されます。

 

実際この信託報酬はいくらくらいなのでしょうか? それはファンドによりまちまちですが、投資信託のアクティブファンドの場合、1%以上が普通です。一方でパッシブファンドは0.5%、あるいはもっと低いものも普通にあります。

 

パッシブファンドは、「東証TOPIX」や「米国S&P500」などマーケット全体と同じリターンになるよう投資するので、ファンドマネージャーが銘柄を選ぶコストが低く、したがってアクティブファンドほどの高コストにはなりません。

 

ETFも同様です。ETFの場合は、投資信託のパッシブファンドのコスト以上に安いものも多いです。たとえばアメリカの代表的な大型株指数であるS&P500を模倣するETFであるSPYの経費率は0.09%、同じS&P500指数のETFであるIVVは0.04%と圧倒的に安いのです。

 

パッシブ投資信託やETFなどのファンドを選ぶひとつの目安は、このコスト(信託報酬)の安さです。なぜならば、市場全体は平均的に5%程度拡大していくと見込まれ(期待収益率、あるいはリスクプレミアム)、一方、信託報酬は儲かっても損しても必ず係るコストだからです。

 

売買手数料は金額が大きければ比率は低くなります。また長期で保有すれば1年当たりのコストは低くなります。それに対して信託報酬は毎年資産残高に応じて一定比率が掛かるのです。

 

 

手数料よりも税金(譲渡益課税)の方が高い

株を売って儲けが出た場合、その利益に課税されます。また配当金や分配金にも課税されます。実を言うと、手数料よりも税金(株式譲渡税)をどう安くするかの方が株で儲けるためにはずっと大切になります。なぜなのでしょうか?

 

それは、税率の方がはるかに高いからです(笑)

 

・株式譲渡税: 利益の20.315%を払う
・株の売買手数料: 数100円など。率にするとコンマ何%
・投資信託の販売手数料: 1%程度
・投資信託やETFの信託報酬: 0.1%から1%程度

 

もうお分りですよね? 「株の税金は儲けの2割」。これに対して売買手数料は1%もないのです。

 

 

簡単な例をあげましょう。

100円の株を1000株買いました。全部で10万円です。手数料を最低ランクの100円とします。

 

・売買委託手数料: 100円
これが1年で20%上昇しました。120円 X 1000株 = 12万円。
これを売って、利益は2万円です。

 

・株の税金: 20,000 X 20.315% = 4,063円
・売る時の売買委託手数料: 100円

 

どうでしょうか? 税金と手数料は全然違いますよね?

 

・手数料:200円
・税金: 4,063円

 

 

株の税金や手数料を下げる対策とは

この資産運用のコストとも言うべき手数料や税金を安くする方法はあるのでしょうか?

 

もちろん、NISA口座を使って一定条件の元に無税にしたり、ノーロードファンドで販売手数料を無料にしたり、そんな方法は誰でも考えますよね。ネット証券ではこの売買手数料に違いがあって、手数料が安い証券会社を選ぶ、というのも手です。また、大きく損した株を売って(損失確定)、儲かった株の利益と相殺するよう確定申告する、という損益通算の方法もあります。

 

しかし、それは根本的な解決になっていません。
実はこの手数料や税金(特に税金)を安くするとっておきのコツがあるのです。

 

それは、
「売買頻度を少なくして、長期投資に徹する」戦略です。

 

具体的な計算例をあげて株の税金の影響をご説明しましょう。

 

100円の株を1000株買いました。合計10万円です。
この株は毎年10%儲けがあると仮定します。つまり株価が毎年10%高くなっていく、ということです。また税金を(簡単のために)20%と想定します。そして10年この株を持ち続けるとします。

 

10年後にあなたはこの株を売ります。10万円の資産は税引後いくらになっているでしょうか? 計算してみましょう。

 

10年後に株を売る場合の儲けの計算

計算式:
(1.1^10)*(1-0.2)+0.2 = 2.274994
10万円 X 2.274994 = 22万7499円

 

要するに、10万円は10年後に22万7499円になっています。

 

(注) 1.1の10乗(2.593742)で10年後の税引き前の資産総額が計算できます。
この2.593742から元本の1(10万円に相当)を引いた1.593742が利益なので、これに税率の0.2をかけた0.318748が支払う税金です。税引後の資産総額は、2.593742 - 0.318748 = 2.274994 として算出できます。

 

 

1年に1回、毎年売り買いした場合、10年後の儲けの計算

次に、同じ条件で、しかし毎年売ってまた買うを繰り返すとどうなるのでしょうか? 計算してみました。
100円の株を1000株買った。合計10万円。
毎年10%のリターンがあると仮定。1年に1回、これを売って、税金を払い、また買い戻す。毎年売り買いを繰り返す。10年後には?

 

計算式:
(1+(0.1*(1-0.2))^10 = 2.158925
要は、毎年10%の税前リターンが20%の税金のために8%に落ちてしまう(10% X (1-0.2) = 8% )わけですね。これを10年間繰り返します(10乗する)。

 

結局、この条件では、あなたの資産は10年後、21万5892円になっています。

 

どうでしょうか?

 

・10年持ち続けた株は22万7499円。
・毎年売買した株は10年後に21万5892円です。

 

税金控除後の資産総額を計算すると、長期投資の方が節税できて有利であることがよくわかりますよね?しかも、この計算は売買手数料を考慮していません。短期売買では、この手数料も毎回効いてきます。

 

この計算では1年に1回の売買を10年繰り返す条件ですが、実際のデイトレーダーでは毎日毎日売り買いを繰り返し、手数料と税金を払います(手数料は、売買頻度が多いと定額になったり格安になるネット証券が多いのですが、税金を逃れることはNISA口座など特別な条件でないと難しいです)。

 

≪配当金や分配金にも税金はかかる≫
株の配当金や、投資信託、ETFの分配金にも、同じく20.315%の税金がかかります。これを節約することは難しいですが、投資信託に限って言えば、毎月分配型の投資信託を買わないことで節約が可能になります。

 

人気があり勧められる毎月分配型の金融商品ですが、こと節税の観点からはおすすめできない投資商品です。

 

 

株の手数料と税金を下げるコツとは まとめ

先生

株投資に掛る手数料は売買委託手数料(販売手数料)と信託報酬(投資信託やETFの場合)に大きく分かれます。しかし手数料率はせいぜい1%くらいです。それに対して株の儲けに掛かる税金は、税率20.315%と圧倒的に大きいのです。

 

この税金(実効税率)を下げるコツとは、
1)売買頻度を少なくし、長期投資に徹する
2)投資信託やETFでは、信託報酬の安いものを選ぶ
3)非課税のNISA口座を活用する

 

この3点です。ファンド(投資信託やETF)では信託報酬が安ければ安いほど、また、株もファンドも長く持てば持つほど、実効税率は下がり、税引後の手取りの報酬は増えることになるのです。

 

>株式投資は、長期投資と短期売買どっちがおすすめ?
別の視点から「長期投資」の利点を説明しています。
>NISAとは?基本的な始め方とメリット・デメリット
非課税であるNISA口座を上手に活用するコツはこちらも参考にしてみてくださいね^^

 

 

 

 

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