インデックス、パッシブ運用ってなに?

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前回の「インデックス運用」の説明はご理解できましたか?市場はかなり効率的なので、そこで着実に儲けようと思ったら市場全体を買ってしまうのがいいよね、というお話でした。
前回の記事 市場全体を買うのはなぜおすすめ?>

 

では、この市場全体はどうやって買えばいいのでしょうか?東証銘柄全部やNY上場銘柄全部って果たして買えるのでしょうか?なんか全部の銘柄を買う、って何億円も要りそうですよね?

 

実はこの市場全部を買う手法は現代の株式投資の主流です。そしてそれは「インデックスファンド」を買うことで簡単に実現できてしまいます。必要な資金もお小遣い程度で可能です。

 

今回は、そのインデックスやパッシブの詳しいお話です。この分野は投資のキモの部分ですのでしっかり習得してくださいね。

 

 

株価平均、インデックスとは?

インデックス(マーケットインデックス)とは、ある市場全体のパフォーマンスを表す平均株価や株価指数のことです。

 

株式市場に関するニュースを聞いていると、「日経平均が何円上がった」とか「昨日のニューヨークダウが何ドル上がった」などと言われます。この「日経平均」とか「ニューヨークダウ」がインデックスの正体です。「日経平均やTOPIXが上がった下がった」は市場全体の大雑把な値動きを表している、ということです。

 

 

インデックスとは、市場全体のおおまかな値動きを表す指標

日経平均とは、日経平均株価のことで、日経225(にっけいにーにーご と読みます)とも呼ばれます。これは、東証1部に上場している約2000社の株価のうち、日本の産業を代表する大手企業225社の株価を平均化した数値です。日本経済新聞社が集計、時々刻々リアルタイムで公表されます。

 

計算方法は、単純な株価の平均値ではなく、株式分割などを修正して連続性を持たせるように工夫されていますが、基本的には、1株30万円の株価も100円の株価もそのまま足して銘柄数(225銘柄)で割って求められます(実際には、これに修正倍率と除数を使って修正されます)。

 

 

ニューヨークダウも仕組みは同じ

また、「ニューヨークダウ」と呼ばれるニューヨーク証券取引所の平均株価もまったく同じ仕組みです。と言うより、日経がニューヨークダウと提携して始めた経緯があるのでそうなっているのです(昔は、日経平均は日経ダウと呼ばれていました)。ちなみにニューヨークダウは30社の平均値です。

 

この価格平均株価は値嵩株も低位株もそのまま平均化されるので、値嵩株の上下変動の影響を受けやすい欠点(値嵩株バイアス)があり、またインデックスに選ばれる銘柄も恣意的であるため、市場全体を表すインデックスとして問題があります。現在では市場の状況を表す時価総額ウェイトの株価指数に取って代わられています。

 

 

時価総額ウエイト指数とは?

東証株価指数とも呼ばれるTOPIXや、アメリカの代表的な指数であるS&P500は今日では市場全体を表す指標(インデックス)として使われていますし、特にこのインデックスに投資する金融商品としてインデックスは利用されています(例:TOPIX連動投信、S&P500指数連動ETFなど)

 

この時価総額ウエイトとは、各銘柄の時価総額(株価 X 発行済株数)、つまり銘柄の企業価値を合計し、それを発行済株数の合計で割った数値です。

 

たとえばA社の株価が100円、発行済株数が1000株、B社のそれが250円、3000株、C社が800円、10000株だと仮定します。

 

単純な株価平均は、(100+250+800)/3=383円となります。これが日経平均の基本的な概念です。

 

一方時価総額ウエイト平均では、(100*1000+250*3000+800*10000)/(1000+3000+10000)=632円です。これは TOPIXの計算方法です(今日では浮動株修正が行われています)

 

TOPIXなど時価総額平均の場合、さらにある時点(1968年1月4日)の時価総額を100とおいた指数として表しています。時価総額平均指数の場合、トヨタやNTTなど時価総額が大きい大型株バイアスがあります。

 

アメリカ株を代表するS&P500とかドイツのDAX、イギリスのFTSE100(フッツィーと言います)も同じ仕組みです。また、この「発行済株式数」は株式持ち合いの影響でダブルカウントされるので、現在では「浮動株」のみを計算した「浮動株基準指数」になっているのも特徴です。

 

 

インデックス連動投信、ETFとは?

この日経平均やTOPIX、S&P500などに投資する金融商品が、投資信託やETFの仕組みを利用して、開発されています。

 

具体的には、資産運用会社がこれらインデックスを模倣するように銘柄を選び、ひとまとめのファンドの形でひとつの投資商品にまとめたもの(投信)や、その投信を株式市場に上場させたもの(ETF)です。

 

この「インデックスを模倣する」とはどう言う意味でしょうか? 実は、インデックスと同じパフォーマンスを目指す「インデックスファンド」は、その模倣の仕方と信託報酬の高低によって、運用パフォーマンスに若干の違いがあります。

 

そのインデックスを構成する銘柄が少数(1000銘柄程度以下)の場合は、全部の銘柄を買い持ちするフル・レプリケーション(完全模倣)と呼ばれる手法を使います。具体的にはS&P500は、アメリカの上場企業の上位500社なので、500社全部を買ってしまうのです。

 

一方、日本のTOPIXは東証1部上場の約2000銘柄と多く、全部をファンドに入れると煩雑で管理が大変になったり、一部の銘柄は流動性に問題があるので(売り買いが簡単にできない)、完全模倣のコストが膨大になります。この場合、各運用会社が適切な運用モデルを作り、TOPIXの値動きと同じようになる最適化手法が使われます。

 

この最適化手法を使ったインデックスファンドと実際のインデックスのパフォーマンスには乖離がどうしても生じてしまいます。この乖離を「トラッキングエラー(またはアクティブリスク)」と言います(実際には差の標準偏差)。

 

 

パッシブ運用を実現する

市場全体を買う運用方針がインデックス運用で、個人投資家が簡単にそれを行うためには、インデックス投信や、ETFを買うことでそれが可能となります(年金など巨大な機関投資家の運用では、独自のファンドが設計されます)。

 

インデックス運用をするひとつの合理的な理由は、「市場は極めて効率的なので、もっとも合理的な投資は市場全体を買うこと」というわけです。またこの運用方法をパッシブ(受動的な)投資とかパッシブ運用と呼びます。

 

要は、パッシブ運用とは、個別銘柄を選んで投資するのではなく、市場全体に投資する手法で、それはインデックスファンド(インデックス投信やETF)を買うことで簡単に実現できるのです。

 

 

パッシブの逆は、アクティブ運用

パッシブ(受動的)があるのなら、アクティブ(能動的)もあるはずです。このアクティブ運用とは、個別の銘柄をよく調べ、ひとつひとつ買っていく手法です。また投信などで資産運用会社のファンドマネージャーがこのアクティブ手法で投資するファンド(投信)をアクティブファンドと呼びます。

 

ちなみにアクティブ運用では、各銘柄をリサーチしてその売買タイミングを考慮しなくては良いパフォーマンスは出ません。このコストがそのまま信託報酬に反映されるので、アクティブ投信の信託報酬は高めです。要はそれ以上のパフォーマンスを目指さなくてはいけない、というわけですね。

 

 

インデックスとベンチマークの違いとは?

最後に、ベンチマークのご説明をします。ベンチマークとは、投信などのポートフォリオのパフォーマンスを評価計測するうえでの基準となるもので、実際の金融商品によって様々なものがベンチマークとして採用されています。

 

金融市場は、常に動いているので、その運用パフォーマンスの良し悪しを判断するために、ある基準(物差し)が必要です。

 

たとえばTOPIX連動型投信(パッシブファンド)のベンチマークは、「TOPIX」そのもので、実際のパフォーマンスがTOPIXからどのくらい乖離しなかったか、が評価ポイントとなります。

 

つまり、金額ベースで儲かったかどうか、とかベンチマークに勝ったかどうか、ではなく、ベンチマーク(TOPIX) と同じリターンだったかが大切というわけです(トラッキングエラーを最小にするサンプリング手法)。ちなみにアクティブファンドの場合は、ベンチマークにどれだけ勝ったか、が評価ポイントとなります。

 

 

マーケットニュートラル

これに対してマーケットニュートラルと呼ばれる投資手法があります。これは株式の場合、同額で割安株を買い持ち、割高株を売り建て、市場リスクをゼロ(ニュートラル)にする手法です。

 

この場合、金額ベースで儲かったかどうか(絶対リターン)を追い求めます。ヘッジファンドでは一般的な手法ですが、一部の投信にも取り入れられています。この場合、絶対リターンが大切なので、ベンチマークはリスクフリーレートとなります。

 

 

具体的なベンチマークの例は?

具体的な投信やETFの説明をあげて、ベンチマークの例をご説明します。

 

アメリカの大手運用会社バンガードの手がける全世界の株式に投資する「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT) というETFがあります(コア銘柄としておすすめです)。このバンガード社のHPよりファンドの説明を以下に引用しました:

 


投資アプローチ
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用です。ファンドはフルインベストメントを維持します。

 

米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場への幅広いエクスポージャーを提供します。低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えます。

 

ベンチマークについて
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の大型、中型、小型株の市場パフォーマンスを測定します。先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,000銘柄で構成されます。全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。
(出所)バンガードHPより

 

ここで、「 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。」と書いてある「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」がこのETFのベンチマークになります。

 

また、このファンドは「約47カ国の8000銘柄でベンチマークが構成される」とありますが、このETFは8000銘柄に実際には投資しません(ここ注意してください!)。

 

このファンドを買うと8000銘柄に投資したのと同じようなパフォーマンス(運用成績)になるような運用をする、という意味(はっきり「サンプリング法を用いる」と書いてありますね)ですが、実際にはその乖離(トラッキングエラー)は若干生じます。あくまでも「ベンチマークを模倣するパフォーマンスを目指す」というわけです。

 

 

インデックス、パッシブ運用 まとめ

先生

市場全体の値動きを表すのが、日経平均やTOPIXなどのインデックスです。このインデックスに投資する手法が、パッシブ運用で、インデックスファンド(インデックス投信やETF)を買うことで実現できます。

 

市場はかなり効率的なので、この市場全体を買うインデックスファンドは、信託報酬も安く、おすすめです!

 

具体的には日本株ならTOPIXに連動する投信やETFがあります。しかし高齢化とともに衰退しかねない日本のリスクを避けるため、全世界やアメリカの株式に投資できるETFに注目したいですね^^

 

 

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