株とはそもそも何か?その仕組みと始まり

株とは

 

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そもそも「株」とは何なのでしょうか?
株を始める前に本質がわかれば、株式投資への理解が深まりますのでぜひ覚えておいてくださいね^^

 

 

株とは?

株とは、『株式会社の持ち主が誰であるかを表す権利書のようなもの』です。資金調達の手段のひとつとして、会社は株券を発行します。

 

その株券を一般の人が購入し、その調達した資金で会社を運営し事業を拡大していきます。事業規模が拡大すればするほど株の価値も上がっていくので、株主も利益を得ることができるのです。

 

株と配当の仕組み

配当とは、『会社の利益の一部を株主に払い戻す仕組み』です。事業規模の拡大により会社の売上があがり、そこから経費と税金を支払った残り(純利益)の一部を、会社の所有者である株主に還元してくれるのです。配当のされ方は、会社によって変わります。
詳しくは、配当利回りとは?>

 

 

株価は何を反映して動くの?

モノの値段は、理論的には、そのモノが生み出すキャッシュフローを現在価値に割り引いた金額の総和です。だから会社の価値は、その会社が将来稼ぐキャッシュフローの現在価値の総和なんです。会社の価値を、発行した株式の数で割ったものが株価になります。

 

たとえば、あなたが家賃8万3333円(つまり年間の家賃100万円)のワンルームに賃貸で住んでいるとします。で、あなたはその自分の住んでいるマンションが気に入り、それを買いたいと思いました。大家さんはいくらなら売ってくれるでしょうか?

 

大家さんは、あなたに部屋を貸すと年間に100万円の収入がありますよね。このくらいなら課税金額はほぼゼロになるので、税引き後の収入も100万円だとしましょう。で、この マンションは今後50年間使えると仮定します。

 

50年間の家賃収入は、100万円 X 50年間 = 5000万円。つまりこのワンルームの値段は、5000万円ということになりそうです。

 

でも、本当に50年間使えるのでしょうか? 大地震が来て、半崩壊して、修繕のための出費が必要になるかもしれません。また、鉄筋建ては50年じゃなくて100年保つとも言われています。それに家賃収入だって、年間100万円はずっと100万円のままだという保証はありませんよね。

 

インフレで上昇したり、また、デフレで値下げせざるを得なかったりしそうです。50年後にマンションがボロボロになって、誰も借りてくれないかもしれません。

 

結局、将来の家賃収入100万円は、不確かな数字なんです。なので、仮に1年後に100万円を得られる確率を90%だとすると、100万円 X 0.9 = 90万円が、現在の家賃収入の価値となります。これを「現在価値」と専門的には言います。

 

また、この90%の確率を、割引率10%と言います(100%ー90%=10%)。再来年も同様に割引率10%を当てはめて、100万円の2年後の現在価値は、100万円 X 0.9 X 0.9 = 81万円となります。3年後は、100万円 X 0.9 X 0.9 X 0.9 = 100万円 X (0.9^3) = 72万9000円です(^3は3乗の意味)。

 

これらの総合計(総和)がマンションの理論的な値段になるんです。
100万円+90万円+81万円+72万9000円+ ・・・・ 
この計算は、数学的には、こんな計算式で得られます:

 

100万円 ÷ 0.1= 1000万円

 

これは、1000万円を金利10%で預けると毎年100万円の利息収入が得られることと同じです。毎月8万3333円の家賃のワンルームの価値は、割引率を10%と仮定すると、1000万円となるんです。5000万円よりも将来が不確かなためにずいぶん安くなりますね。

 

逆に言えば、20年後とか50年後もそのワンルームを所有していても、いくらその時に家賃収入が得られるかなんて分からず、確率計算をするしかない、ということですよね?

 

株式の価値=株価も、原理的にはワンルームマンションと同じです。会社が毎年稼ぐお金を一定の割引率で割ったものが株価なんです。

 

 

つまりどういうこと?

はい、たとえば、ある会社が毎年100億円の利益を上げているとして、割引率を5%だと仮定すると、その会社の価値は、100億円÷5%=2000億円になります。この会社の発行済株式数を2億株だと仮定すると、2000億円÷2億株 = 2000円が、会社の理論的な株価になります。

 

ーちょっと待ってよ。会社の利益って、毎年上がったり下がったりするよね? 毎年一定じゃないよ。それに、利益と言っても営業利益とか経常利益とか税引き利益とか、いろいろある、って簿記の勉強をしたとき習ったよ。

 

そうですね。正確には会社が稼いだ真のお金は、会計上の利益ではなく、「キャッシュフロー」という言葉を使います。決算書には、「キャッシュフロー計算書」というものがあって、そのキャシュフロー(正確にはフリーキャッシュフロー)を現在価値に割り引いたものの総合計です。もちろん毎年毎年会社は儲かったり損したりするので、キャッシュフローの予想も変化します。

 

ー難しいね。なら、理論的な株価の計算なんてできないよね?

 

はい、そうですね。簡単にはできません。エクセルを駆使して、様々な仮定を立てて、理論的な株価を計算します。その株価を試算する専門家を証券アナリストと言います。実は私、もずっとこの証券アナリスト業をやっていました。

 

ーへぇ。なんか大変そうな仕事だね。

 

でも、この原理原則がわかったら、株価がどう動くかは予想ができるんじゃないですか?

 

ーあ、分かった! つまり、会社が将来儲かりそうなら、株価は上がるし、損しそうになったら、株価は下がるんだね?

 

はい、正解です!

 

ーつまり、これから儲かりそうな会社の株を買えば、そのうち株価が上がって、株主である自分も儲かる、って計算だ。

 

まさに大正解です!

 

結局、大口の株主になって(巨額の資金が必要です)、社長を解任したり、株主総会でさまざま議題を提議したりでもしない限り、我々は、「これから儲かりそうな会社を予想して、その会社の株を買う」ことが得策というわけです。

 

儲かりそうなら会社の価値が上がるし、損しそうになると会社の価値は下がります。「会社の価値=株価」なので、会社が儲かりそうならみんながその株を買うので、株価は上がるし、損しそうになったら、みんな株を売るので、株価は下がるんです。

 

つまり、株式投資とは、とどのつまり、会社が将来稼ぐお金を予想するゲームなのです。
「株式投資=会社の将来の利益を予想するゲーム」

 

 

他にも株価が動く要因がある

株価は長期的には会社の将来稼ぐお金(キャッシュフロー)を反映して動くんですが、短期的には、それ以外の要因でも上がったり下がったりします。たとえば、円安ドル高に外国為替市場が振れると、自動車メーカーや電機メーカーのような輸出で儲かっている会社は儲かるようになるので、上がります。

 

日経225とかMSCIとかのインデックスにその会社の株が採用されると、インデックスファンドはその株を買わなくちゃいけないので、買われて株価は上昇します。毎日毎日プロの株式トレーダーが、FXのように株を買ったり売ったりしているので、さまざまな思惑や噂でも株価は上下します。

 

いわゆる「需給」で株価は短期的に動くんです。また、他にも株価を動かす要因があります。それは、今まで不当に割安に放置されていた株が、何かをきっかけに見直されるようになったとき、正常な株価に戻るときです。これは割安株投資(バリュー株投資)と呼ばれ、とても有効な投資手法です。

 

割安株投資で世界的に有名な投資家がウォーレン・バフェットです。
>バフェットの運用パフォーマンスは?

 

短期的に株価を動かす要因を予想するのはとても難しいですよね? 明日どんなニュースが起こるか誰も予想できませんから。しかし長期的に株価を動かす要因が、会社の収益性、つまり儲かったかどうかなら、ある程度の予想はできそうです。

 

 

株式会社の始まり

株式会社は「株券」を発行します。
今は電子化され姿はありませんが、かつてはデパートの商品券のような株券が印刷され、証券会社や信託銀行の金庫に保管されていました。

 

では、「株式会社」って何なのでしょうか?その始まりを説明していきますね。

 

 

世界最初の株式会社はオランダ

世界で最初の株式会社は、1602年にオランダ・アムステルダムに設立された「VOC」です。英語ではダッチイーストインディアカンパニー(Dutch East India Company) とも呼ばれ、日本語ではオランダ東インド会社と言われます。

 

VOCは支店が日本にも置かれ、ヨーロッパとアジアの交易に従事していました。VOCの日本支店は長崎の出島でした。江戸時代の鎖国政策で唯一の例外が、中国とオランダだと学校で教わりましたよね? 長崎出島の日蘭貿易は実は江戸幕府とオランダ東インド会社との貿易そのものだったのです。

 

長崎の出島は日本の貿易の中心だった!

そうなんです。そして当時のオランダVOCは徳川家康の納める日本との交易を出島でスタートさせました。具体的には島根県の石見(いわみ)銀山からの銀を輸出していました。当時の日本は、世界の銀の3分の1を出荷していたと言われます。

 

ちなみに江戸時代の新潟県佐渡金山は世界最大の金の産出を誇っていたそうです。まさに金銀財宝の国ジパングだったんですね。

 

では、オランダ国王は徳川家康公納めるジパングから買った銀を安全確実に貴族社会である中世ヨーロッパに送り届けることができたのでしょうか?

 

想像に難くないですが、当時の海路には海賊が大勢いました。造船技術も航海技術も未熟なので、嵐に遭遇するとひとたまりもなく重い銀を積んだ船は海の藻屑となりました。もちろん船員もろともです。

 

そんな時代の非常にリスクのある日蘭貿易。そこでオランダは一般から広く出資者を募り、VOC、つまり世界で最初の株式会社を作り、投資家に金銭的なリスクを負わせるシステムを考案したんです。

 

利益欲しさにヨーロッパの投資家たちが殺到!

ポイントは、「ジパングや英領インドから算出される金銀財宝や香辛料などを安全に持ち帰ればその分け前に株主があずかれる。しかし、遭難して船も財宝も海の藻屑となれば、出資金は戻ってこない。その高いリスクの分だけ、リターンも大きいよ」、というアングロサクソン一流の搾取システムです(苦笑)

 

要は「ジパングから金銀財宝、インドから香辛料を大量に安い値段でかすめ取って、一緒にがっぽり儲けようじゃないか! その分け前にあずかりたい人、この指とまれ!」とVOCの株券を売って、資金を集めました。

 

やがてこのアジア貿易のための資金を集める金融仲介業者は、ロンドンのシティに集約し、「マーチャントバンク」と呼ばれるようになってきました。「貿易商人(マーチャント)のための金融機関(バンク)」というわけですね。今日、マーチャントバンク(イギリス英語)は、アメリカ流にインベストメントバンク(投資銀行)と呼ばれています。日本の法制度では「金融商品取引業者」、または単に「証券会社」と呼ばれます。

 

 

ベアリング

ベアリング

 

 

 

※ロンドン・シティで最古のマーチャントバンク、大英帝国拡張を金融面から支え、「女王陛下の銀行」とも呼ばれたベアリング・ブラザーズ。私は、ベアリングのオフィスを訪問した時、経営陣からファミリーの勃興に関する書籍をいただきました。

 

有名なロンドンのマーチャントバンクは、ベアリング、ロスチャイルド、シュローダー、ウォーバーグなどです。

 

言ってみれば、アジア諸国を欧州が搾取するシステムが株式会社の興りだったんです。ご存知のように、第二次大戦後、大英帝国は、植民地としての英領インド(今のインド、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ミヤンマー、スリランカ)を失い、衰退していきました。インドの香辛料、毛織物でぼろ儲けできなくなったからかもしれません。

 

≪株式会社の始まりを簡単にまとめると・・・≫
株式会社の始まりは、VOC(オランダ東インド会社)から始まりました。それは、言わばアジアを搾取するシステムで、投資家を集め、金銭的なリスクとリターン(儲け)を広く分散させる役割を果たしたわけです。その権利を扱っていたのが、「証券会社」で、その権利は「株」と呼ばれたのです。

 

 

株を買うと株主はどのようなメリットが得られるのか?

株式会社の始まりは日本の江戸時代で、アジア貿易のリスクを広く投資家に分散させるシステムだった、と学びました。それでは、今日の株はどんなメリットがあるのでしょうか?

 

江戸時代の日本は金銀を売って儲けていました。今日日本が儲けているのはトヨタをはじめとする輸出産業です。それで、トヨタを例に具体的に書いていきますね。もしあなたがトヨタ自動車の株を買ったとしましょう。ちなみに、トヨタは売上高規模で日本最大の会社です。

 

株を買うと、株式会社のオーナーになれる

トヨタ株を買うと、あなたは「トヨタの株主」と呼ばれます。株主とは、トヨタという会社を所有している、という意味です。つまり、あなたが2LDKのマンョンを買ったとすると、その区分所有者になることと同じなんです。そしてあなたが、トヨタの経営を任せるために、トヨタの社長とか取締役とかを選び、資本主義のルールのなかで、「あるゲーム」に参加するんです。

 

そのゲームのルールは、「決まった法律を守り、社会的な責任を全うしたうえで、株主価値を最大化すること」です。株主価値が増えると、「株価が上がり」自分の資産が増えたり、配当金をもらうこともできちゃいます。いいこと尽くめです。 (^^)

 

 

会社の経営=株主価値を最大にするゲーム

反対にそのゲームがうまくいかないと、会社は損をするので、会社の資金はどんどん減り、株価が下がります。配当金も少なくなったり、無配、つまり配当金をもらえなくなったりします。最悪、その会社は倒産し、あなたの資金はなくなり、ゲームオーバーです(ショック)。

 

「ゲームがうまくいかない状態」とは、たとえば、間違った社長を選んだために、その社長が会社のお金で田園調布に豪邸を建て、社用車としてフェラーリを何台も買い、会社の交際費で六本木の高級キャバクラで、1本100万円のビンテージワインを毎晩飲み、会社のお金で美女集団喜び組をはべらせ、みたいなやつです(苦笑)。

 

 

間違った会社に投資すると、なくなってしまうかもしれない!

たとえ有能な社長をあなたが選んだとしても、競争は激しく、ビジネスはとても難しいので、簡単には儲かりません。インターネット広告を打ったり、新しい製品を開発したり、悪銭苦闘します。

 

トヨタに関するニュースが出るたびに、株価はそれを反映して上がったり下がったりします。あなたが預けた定期預金はほとんど上がったり下がったりしません。国債の値段も株ほどは上がったり下がったりしません。ともかく、株価は変動がとても大きく、それが大きな特徴です。

 

株は、株式会社が資金を調達するときに発行される会社の区分所有権です。昔は、「株券」というお札みたいなものが刷られ、株主はそれを保有していましたが、今は電子的な記録が残るだけです。

 

つまり、株を買う=株主になる=その会社の所有者の一部分になる、ということです。たとえば、トヨタの株を買うことは、トヨタという会社を所有している、ということと同じです。だからあなたはトヨタの社長よりも立場は上です。

 

 

株主は会社の社長さんよりも立場は上

「え? 私、トヨタの社長さんよりも偉いの?」

 

はい、そうです。だから、社長が気に入らなかったらクビにもできますし、新しい社長を選ぶこともできます。民主主義では、首相を国民が(間接的にであっても)選ぶことができることと同じですね。もちろんあなたのトヨタの持分は微々たるものなので、株主が集まる「株主総会」で、みんなの多数決で決まりますけど。これも、国会議員を選ぶ選挙制度とシステムは同じです。

 

「うーん、なんかトヨタの社長よりも、自分が偉い感じじゃないな。給料もずっと低いし、トヨタを株主が動かしている感じがしないよ・・・」

 

そうですね。でもそれは、あなたの区分所有の比率が低いからです。

 

あなたの買ったトヨタ株はマンションと同じ区分所有なんです。全部1棟丸ごと買っているわけではないので、株主としての権利は小さく、結局民主主義の大原則である「多数決」では、それほど力があるわけではありません。もしあなたがトヨタを自由に動かしたかったら、トヨタ株の過半数を買えば、それが可能になります。

 

「へぇ。でもそれ、いくら必要なの?」

 

はい、トヨタの発行済株式数は32億6000万株(3,262,997,492株)なので、その半分の17億株を証券会社を通じて買えばいいんです。今のトヨタの株価は7000円なので、ざっと、11兆9000億円必要ですね。

 

( ̄◇ ̄;) ガーン

 

 

株とはそもそも何か?その仕組みと始まり まとめ

先生

・株とは、『株式会社の持ち主が誰であるかを表す権利書のようなもの』

 

・株は、資金調達の手段ひとつ。企業を成長させるために、株主は資金を会社に払い込む。事業規模が拡大すればするほど株主も恩恵を受ける。

 

・江戸時代に事業のリスクを株主に転換させる目的で「株式会社」が発明された。なので会社は事業に失敗すると、株の価値はなくなってしまう。

株の始め方

 

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